白について
2010年 04月 17日
古今の彩 第2弾。 今回のテーマは「白」。
ヒトが初めて見た「白」は、どんな白だったのだろう。
雲、月、雪、打ち寄せる波、それを見つめる白眼だろうか。
他の色との関係の中で、時に「白」はそれ自体が前面に立ち、
時に自らを背景と化しては、他の色を際立たせる。
磁州窯の、影青の、伊万里の、そして李朝の白、白、白。
豊かに広がり深みを感じさせる「白」。
歴史を重ね時代の深みを表す古美術の「白」と
初々しく今に生まれ来た現代アートの「白」。
そもそも、
「古美術」と「現代アート」は、共存し得ると信じている。

時代を超えて選び抜かれ今なお息づく美しいモノは、
今に生まれた「美」を、そのままで静かに受け入れる。
時代は移り行き、ヒトの生活様式や感覚はそれと共に
変化する。変わりゆく中にあって変わらぬもの。
それは、
豊かになりたいと願い、心潤す芸術を求める想いだ。
古人の残した「白」に、現代作家が創り上げた「白」が
共鳴し合う空間に身を置いて、多種多様にある「白」の
中から、あなたの「白」を見つけていただけたら幸いで
ある。

この度の企画に、快く出品協力をくださいました9名
の作家の皆様には心より感謝申し上げます。